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2018.08.22

INFOBAR xv 開発レポート① | INFOBARの色づくり

 INFOBAR xv 開発レポート① | INFOBARの色づくり

【本記事は、クラウドファンディング「新ケータイ INFOBAR xv を応援して、名前を刻もう。」ご支援者向けに2018年8月4日に配信されたものです。】

本日より「INFOBAR xv 開発レポート」がスタートします。Makuakeでご支援いただいた皆様には、一般公開に先駆けてお届けさせていただきます!

さて、INFOBARといえば、NISHIKIGOIに代表されるユニークなカラーを思い起こしますよね。開発レポートの第一回は、INFOBARの色づくりの現場を初公開!理想の色を作り上げていく作業のことを「調色」と言うのですが、INFOBARはとにかく色数が多いので、調色作業の難易度はMaxです!理想の色が出るまでひたすらトライ&エラーを繰り返し、作業が深夜にまで及ぶこともしばしば。

左が調色した塗料で試し塗りしたサンプル。今回目指すは右のデザインモックの赤。

左が調色した塗料で試し塗りしたサンプル。今回目指すは右のデザインモックの赤。

上の画像は、理想のNISHIKIGOIを目指して調色した塗料で試し塗りしたサンプルを、デザインモックと比較している様子です。デザインモックというのは、目標とする形状や色を具現化した模型で、これを目指して量産のための金型の設計や塗料の調色、塗装の条件出しなどを行います。デザインモックアップは量産とは異なる手法で作られているため、改めて量産のための様々な作業が必要となります。

さて、上の画像をよく見てください。右のデザインモックの赤に比べて左のサンプルは若干黄色が強いですね(なんて、画像では全くわからないですかね)。現場では「ほんの少し黄味が強いなあ」「黒が若干足りないなあ」「白を○%減らしてもう一回試してみよう」といった会話が延々繰り広げられます。塗料の配合を微妙に変えて、何度も試します。塗料メーカーの技術者さんたちの職人技炸裂です!1回目に試し塗りしたサンプルは「T1」、2回目は「 T2」と番号が振られ、理想の色に達するまでこの番号は増えていきます(汗)。

標準光源ブースで色確認

標準光源ブースで色確認

上の画像のように、色の確認は標準光源ブースを使って行います。同じ赤でも例えば昼白色の蛍光灯の下で見るのと、オレンジ色の電球色の下で見るのとでは全く違って見えますよね。標準光源とは、平均的な昼光を再現した光源で、色温度は約6500K(ケルビン)であることからD65光源と呼ばれています。この光の元で確認作業を行うことで、試し塗りをした色とデザインモックの色がどれだけズレているかを正確に判断できるわけです。

標準光源ブースでNASUKONのチェック

標準光源ブースでNASUKONのチェック

こちらは、NASUKONの色を確認している様子ですね。続いて、塗装の様子を見てみましょう。

NASUKONの塗料

NASUKONの塗料

じゃーん!NASUKONの塗料登場!

塗装のための治具を装着

塗装のための治具を装着

NASUKON背面部の成形品に塗装用の丸い棒状の治具(じぐ)を取り付けます。「治具」とは加工や組み立てを行う際に、工作物の位置決めをしたり固定したりするための器具のこと。英語の"jig"の当て字なんですって。

塗装ラインにセット

塗装ラインにセット

塗装ラインにセットすると、くるくる回転しながらコンベアで送られていきます。

塗装ガンで塗料を吹き付け

塗装ガンで塗料を吹き付け

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、くるくる回転する成形品を狙って塗装ガンが塗料を吹き付けている様子です。こうやって成形品を回転させながら吹き付け塗装する方法を「スピンドル塗装」と言います。

シルク印刷の色味をチェック

シルク印刷の色味をチェック

塗装の様子をご覧いただいた後はこちら。シルク印刷されたauロゴの色をチェックしている様子です。CHERRY BERRYのauロゴは、ただの白でなく、ほんのり桜色なので慎重にチェック。

NISHIKIGOIのタイルキーの一部

NISHIKIGOIのタイルキーの一部

そして、INFOBARならではのタイルキー!プラモデルみたいでしょ?樹脂製品なので製造方法はプラモデルと一緒です。キーが付いている枠は「ランナー」と言います。プラモデルを作ったことある方ならお馴染みですよね。

NASUKONのタイルキーの一部

NASUKONのタイルキーの一部

こちらは、NASUKONのタイルキーの一部です。タイルキーは透明のポリカーボネートで出来ています。そこに数字部分の色を塗装し、さらに表面の塗装をします。そしてレーザー加工で表面塗装だけを剥離させて数字を描きます。

仮組みされたCHERRY BERRYのタイルキー

仮組みされたCHERRY BERRYのタイルキー

上の画像の「3」「5」「9」「0」のキーで解説すると、透明のキーに数字部分の濃い赤紫が塗装され、さらに薄い桜色を塗装します。最後にレーザーで薄い桜色の塗膜だけを数字の形に剥離させて出来上がり。透明の樹脂を使っているのは、バックライトで数字を照光させるため。上の画像、CHERRY BERRYのタイルキーが2セットありますが、上側のタイルキーの数字が赤く光っています。分かりますか?

NISHIKIGOIのデザインモックアップとタイルキーのパーツ

NISHIKIGOIのデザインモックアップとタイルキーのパーツ

以上、INFOBAR xv 開発レポート第一回は、INFOBARの色づくりについてご報告させていただきました。いかがでしたか?現在、ハードウェアの開発そしてソフトウェアの開発が並行して着々と進捗しています。多くの皆様にご支援いただいている、クレジットタイトルの準備も進んでいます!少しでも早く皆様にINFOBAR xvが実際に動くところをご覧いただけるよう引き続き頑張りたいと思います。それでは、次回開発レポートをお楽しみに。

au Design project INFOBARチーム